千賀ゆう子企画 1996年 ポーランド公演報告



ご挨拶

poland96top.jpg千賀ゆう子企画では、1996年10月に千賀ゆう子構成演出による 「古事記をめくる/KOJIKI-THE OLD STORY」をポーランド3都市、 ルブリン市、クラコフ市、ワルシャワ市で上演してきました。

ルブリンは、7年のブランクを経て復活した コンフロンテーション国際演劇祭 の招待で、クラコフはロツンダ・カルチャー・センターの プロデュース、ワルシャワは旧国立劇場小劇場のテアトル・マウイ (小劇場の意)のプロデュース公演です。

また、「古事記をめくる」とは別にワルシャワ大学東洋学研究所の 依頼を受け、千賀が15年以上上演を続けている 語り「曽根崎心中」も ワルシャワで上演しました。 (この舞台に対し国際交流基金の助成を受けました。)

経済的な問題から限られたメンバーだけの渡欧となり、 厳しい旅でしたが、ポーランド各地で演劇関係者だけでなく、 様々な人々の暖かい援助や励ましを受けました。

特筆すべきは、ポーランドの劇場のスタッフの優秀さです。 音響のスタッフはすべて現地の劇場に依頼しましたが、 3人とも日本では一般的に「前衛演劇」と呼ばれる私たちの作品を 打ち合わせと一回リハーサルを見ただけで次のリハーサルでは作品を 完全に理解し、完璧に私たちの要求に答える音を出してくれました。 また、装置と大切な美術である4つの木枠は、 図面をFAXで送っておいたのですが、これも満足以上のものでした。 木枠は、日本公演のさいで発注して造っていただいたもの以上の出来で、 日本に持って帰れないかと真剣に検討しました。 (これも経済的な理由であきらめました。) またポーランドのお客様たちの理解度の深さに感動しました。 はっきり申し上げて、日本で今、前衛演劇と称されてしまう舞台作品は、 ポーランドでは、普通の現代演劇の範疇に入ります。

私たちは、今年(1997年)の10月にもポーランド公演を行う予定で準備しています。 作品は坂口安吾原作の「夜長姫と耳男のためのエチュード」です。 すでにワルシャワ大学での上演も決まり(10月10日)、 各地の劇場と日程の調整に入っています。 今度は東京都歴史文化財団よりの助成も決定いたしました。 7月より全国各地での日本公演に入ります。


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