曽根崎心中


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千賀ゆう子語り「曽根崎心中」

 千賀ゆう子の語り「曽根崎心中」は、関弘子さんの企画によるジァン・ジァンでのシリーズ“近松門左衛門”のなかのひとつです。所見台と燭台だけを装置に原文を弦にのせずそのまま素語りする− 300年前に近松が書いた“ことば”とより深いところで出会おうとする試みです。1981年の初演以来15年にわたって仙台、京都、金沢、奥飛騨、新潟、前橋、伊那谷、長門など全国各地で、また一般のホール、小劇場はもとより石庭、寺の本堂、画廊、喫茶店など様々な空間で上演を重ねてきた作品です。1996年にはワルシャワ大学の招きでワルシャワで上演され好評を得ました。
 なおこの語りは、アポロン社よりカセットテープで発売されています。

 「曽根崎心中」は元禄16年(1703) 4月7日、大阪の曽根崎天神の森で実際に起こった心中事件をもとに、近松門左衛門が書き下ろした浄瑠璃の世話物の初作です。
 大阪内本町の醤油屋・平野屋の手代・徳兵衛は25歳、堂島新地の遊女お初は、19歳。2人はかねて将来を誓いあった仲ですが、平野屋の主人でもあり伯父でもある久右衛門が、妻の姪に2貫目の金をつけて結婚させ、家を継がせようと思い、その金を前もって徳兵衛の継母に渡してしまいます。徳兵衛は、手を尽くしてその金を取り戻すのですが、たまたま、親友の油屋の九兵次に窮状を訴えられ、その金を用立てます。しかし、九兵次は約束の期限に金を返さぬばかりか、徳兵衛が九兵次をだまそうとしたといいがかりをつけ、数人の連れとともにさんざんに打ちすえます。
 その夜、徳兵衛は新地にお初を訪ね、主人に金も返せず、大勢の人の前で恥辱を受けた以上、自害してこの不名誉をはらすしかないと語ります。お初の手引きで縁の下に隠れていると、九兵次が現れ、まことしやかに徳兵衛の「罪」を言い立てます。その悔しさに耐えながら二人は縁側の上と下で合図を送り合い互いに心中の決意を深めていきます……。

作/近松門左衛門
監修/観世栄夫
演出/笠井賢一

出演/千賀ゆう子
尺八/ウベ・ワルター、伊藤創、HIKO
横笛/丹下 一

舞台監督/丹下 一


上演年譜

1981〜82 東京・ジァン・ジァンでロングラン
1982年 前橋公演
1984年 仙台/十月劇場アトリエ
京都/妙蓮寺・石庭(尺八/ウベ・ワルター)
1987年 京都/スペースKi(尺八/ウベ・ワルター)
1988年 仙台/141ギャラリーホール(尺八/伊藤創)
1989年 妙高高原/妙高高原町民会館
1990年 東京/プロト・シアター
1992年 前橋/青い目(横笛/丹下 一)
東京/ストライプハウス美術館(尺八/伊藤創)
金沢/文教ホール(尺八/伊藤創)
東京/銀座・豆屋(横笛/丹下 一)
1994年 奥飛/上宝村・陶房水谷(横笛/丹下 一)
高岡/カフェ・ド・シプレ(尺八/HIKO)
新潟/シネ・ウインド(横笛/丹下 一)
東京/ストアハウス
伊那谷・飯島町/アジア一人劇祭に参加
1995年 山口県長門市で上演
1996年 ポーランド、ワルシャワで上演。(ワルシャワ大学の招へいによる)
1997年 宮城県本吉町はまなすホール会館1周年記念で上演