千賀ゆう子企画公演 「古事記をめくる」Vol.2 (1996)

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構成演出/千賀ゆう子+関井稔也
 出 演/絵永けい(OCT/PASS)
     梅津順次(錬肉工房)
     佐藤 照(DA・M)
     千賀ゆう子
     丹下 一(迦樓羅舎)
     平島 聡(MABIZA)
     水木 夏
 楽 師/入間川正美(チェロ)
企画制作/千賀ゆう子企画 
 
写真は、95年
「THE OLD STORY=古事記をめくる」より。
 撮影/宮内勝

-- 高岡公演 ----- 7月6日(土)7:00 PM 開演     会場/高岡文化ホール多目的小ホール エ 0766-25-4141 予約間い合せ/高岡CYABE-CYABE倶楽部   エ 0766-25-3529 チケット取扱い/富山県高岡文化ホール    エ 0766-25-4141         高岡市民文化振興事業団   エ 0766-20-1450     協力/劇団碧鳥 広田郁世 堀淳二郎     後援/富山県教育委員会 R高岡市民文化振興事業団 -- 横浜公演 -----        相鉄本多劇場火曜シアター 7月9日(火)7:30PM 開演     会場/相鉄本多劇場 エ045-319-2150 予約間い合せ/相鉄本多劇場 エ045-319-2150 チケット取扱い 迦樓羅舎  エ03-5996-3689     協力/劇★派事ム所 -- 東京公演 -----  タイニイ・アリス・フェスティバル 第1回東アジア演劇祭参加 7月12日(金)13日(土)7:30PM 開演        14日(日)5:30PM 開演     会場/タイニイ・アリス エ03-3354-7307 予約問い合せ/タイニイ・アリス エ03-3354-7307        迦樓羅舎     エ03-5996-3689 総合問い合わせ/迦樓羅舎    エ03-5996-3689 料金(全公演)/前売り2800円 当日3000円 チケット取扱い/迦樓羅舎    エ03-5996-3689         チケットぴあ  エ03-5237-9999


闇に鳥の声がする……。
闇がもっと深かった時代、古事記の
闇の残酷さも含めたゆたかさには、
考えさせられるものがあります。
誤解をおそれずに言うならば、闇には闇の尊厳を、
死には死の尊厳を、生には生の……。
人類よりも古くから地球にいた鳥類には、
「古事記」でも、吉凶につけ特別の思いが
あったようです。ヤマトタケルが死んで白鳥となって
飛んでゆく話はよく知られていますが、生と死を結ぶ
メタファーとしての鳥に関する伝承が非常に多いのです。
現代においても、時代の感覚に鋭敏な詩人たちに、
鳥へのオマージュが多いのも偶然ではないでしょう。
高岡では、カラスたちの中継地点があって
物見のリーダーカラスの元に他のカラスたちが集まり、
一団となって海辺にえさをとりに行き、夕方、
中継地点に集まって、解散! となるそうです。
彼らには幸い、まだ鳥の尊厳が残されている。
極端に数の減ったイヌワシが、ごみためにえさを
あさりに来るTVニュースとの対比を思いました。
昨年の「THE OLD STORY=古事記をめくる」では、
明暗のエネルギーを祝祭として、全編を一気果敢に
めくりつづけ駆けぬけ一夜の宴として提示しました。
Vol.2では、部分めくりにこだわり、宴の底に広がる
闇に耳をすませたい。神々の哄笑は遠く、
闇から鳥たちの声がうったえてくる。
劇場という限られた空間ではありますが、有限の私たちが、
ともに見えないものに目をこらし、聞こえないものに
耳をすますことのできるような開かれた空間となるように、
小さな空間から宇宙的な空間までの往還を、破壊と再生を
静かなエネルギーとして提示したいと念じています。
 
千賀ゆう子


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